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リンパ排出法ー理論編

むくみを予防するハンドセラピー技術を案内します。

むくみを予防するリンパ排出法を学びましょう。リンパ節の位置を理解しましょう。

体液はどこにある? 体液とは体の中にある液体成分です。人間の体を構成する60兆個の細胞の成分の60%は水分です。これを細胞内液と呼びます。細胞の外にある液体は細胞外液を呼ばれます。その中で血管とリンパ管の中を流れている液体は管内液と呼ばれます。細胞と細胞との隙間を満たしているのは組織液と呼ばれます。組織液は元々は血管内の水分が毛細血管から外に染み出したものです。毛細血管内から外に漏れだした水分の90%は再び毛細血管に吸収され静脈に流れ込みますが、残りの10%はリンパ管に吸収されます。リンパ管に吸収された体液はリンパ液を呼ばれます。血液の60%は水分で血漿と呼ばれます。図から血液の成分が分かります。リンパ排出法とはリンパ管内のリンパ液を静脈に向かってスムーズに移動させる技術の事です。むくみの予防には必須のハンドセラピー技術です。

体液の循環。毛細血管から染み出した体液は細胞と細胞の隙間を潤しています。細胞は体液が運んできた新鮮な水、酸素、栄養素を取り込み細胞の活動を行います。細胞の活動で消費された結果、細胞から水分、老廃物、二酸化炭素が細胞外へ排出されます。その中で、水分の90%と小さなたんぱく質、二酸化炭素は毛細血管に吸収され静脈に運ばれます。残り10%の水分とサイズの大きなたんぱく質はリンパ管の先端に誘導され吸収されます。リンパ管に入った水分はリンパ液と呼ばれリンパ管の中を移動し、最終的に鎖骨の下にある静脈に流れ込みます。この場所ではリンパ管と静脈が結合していて静脈角と呼ばれます。静脈に向かってリンパ管内を移動する途中、何回もリンパ節を通過します。リンパ節はリンパ液が運んできた細菌を浄化します。つまり免疫活動を担当しています。

 

下半身と左上半身のリンパ管は太い胸管になり最後は左鎖骨下静脈と繋がりリンパ液は静脈に排出されます。右腕、頭、首、胸壁、心臓い、肺の右半分、肝臓上部のリンパ管は右鎖骨化静脈と繋がり排出します。4分の1に相当している右側のリンパ体節のみが担当するエリアが小さいことが図から理解できます。リンパシステムの機能1.静脈が再吸収しなかった10%の体液を吸収し、最終的には鎖骨下で静脈に戻す。つまり体液の100%が静脈に戻っている。2.胸腺で作られるリンパ球は免疫活動の主役を務める3.小腸で吸収された脂肪分は腸のリンパ管に取り込まれる4.リンパ管の途中にあるリンパ節は最近、ウイルス、老廃物を攻撃して無力化している。免疫システムの主役である。リンパシステムとは、リンパ管、リンパ節、リンパ球、脾臓、胸腺、扁桃、小腸バイエル板を含めた総称です。

 

リンパ管の太さ。 リンパ管は太さに応じて呼び名が変わります。細いものから示します。毛細リンパ管 10~60μm1㎛=0.001mm前集合リンパ管 集合リンパ管 1~2mm主幹リンパ管右リンパ本幹 2mm胸管 2mm最終的には鎖骨下静脈とつながっている部分では鉛筆くらいの太さになります。この場所は優しく手で触るとリンパ管の脈動を感じ取ることが出来ます。リンパ管の先端は閉じられていますが、毛細リンパ管には管の壁に割れ目があります。割れ目には繋留フィラメント(アンカーフィラメント)と呼ばれるコラーゲン組織がついています。この線維組織は反対側の端は皮膚組織に根付いています。この繋留フィラメントが毛細リンパ管の割れ目を引っ張って隙間を空けます。周辺の体液はこの隙間を通ってリンパ管に流れ込みます。この隙間の大きさは30nm~数㎛です。図は繋留フィラメントと毛細リンパ管の関係を示しています。​​​​​​​

リンパ管の構造。 図は毛細リンパ管、集合リンパ管、リンパ節、胸管を示しています。集合リンパ管の途中には弁があり、リンパ液の逆流を防いでいます。毛細リンパ管には毛細血管に備わっているような平滑筋は無く、薄い内皮細胞の膜があるのみで脆いと言えます。リンパ排出法の施術ではエフルラージュ技術を利用し優しいストロークが絶対に必要です。強い圧を加えるとアンカーフィラメントと毛細リンパ管は簡単に破損しリンパ浮腫発生の原因となります。呼吸や運動などにより毛細リンパ管周辺の組織が発生させる外部の圧力や、自発的に収縮できる集合リンパ管のポンプ作用により吸引力が発生し、毛細リンパ管から集合リンパ管へリンパ液が排出されます。

 

リンパ節の構造。 図でわかるように複数の輸入リンパ管からリンパ節に向かってリンパ液が流れ込んできます。リンパ節の中では髄質や皮質にリンパ球やマクロファージ等の免疫細胞が待ち構えていて、流れ込んできたリンパ液に含まれている細菌、癌細胞を攻撃して無力化します。その後、リンパ液は更に先のリンパ管に向けて輸出リンパ管から排出されます。リンパ節は緒一計2~30nmでそら豆の形をしています。主なリンパ節は全身で600か所存在します。皮膚直下に存在する表在リンパ節は首、腋窩、鼠径部に特に多く分布しています。

 

リンパ節の分布。 図は体の中でリンパ節が特に沢山分布している部位を示しています。順番は顎と首のリンパ節、女性の腋窩リンパ節、男声の鼠径部リンパ節、女性の鼠径部リンパ節です。

 

リンパシステムの分水嶺。 ずん水冷とは山に振った雨水が左右に分かれる稜線を意味します。リンパシステムには4つのエリア(リンパ体節)に分かれています。それぞれのエリアでは排出を行う大きなリンパ節が決まっていて、その方向に向けて施術を行います。リンパ液はエリアを超えて排出されることは無いと考えられてきました。これが分水嶺です。図では破線による白抜きの線が分水嶺です。その後の研究で、リンパシステムの集合リンパ管にはもう1本リンパ管が併走している事、更に上下の位置関係の下にも集合リンパ管が走っている事が分かりました。この発見以降、あるエリアのリンパ液排出に問題が発生しても、分水嶺を超えて他のエリアにリンパ液を排出する事が可能になりました。

 

スターリングの平衡理論。 難しそうな名前がついていますが、スターリングとは最初にこの仮説を唱えた科学者の名前です。その後、正しいことが確認されました。毛細血管が水を供給し回収する仕組みを説明しています。この仕組みのバランスが崩れると、体内に過剰な水分が残った状態となりむくみとなります。1.毛細血管は動脈側では運んできた水を毛細血管の外、つまり体組織に向けて押し出します(血漿静水圧)。押田津圧力は35mmHgです。mmHgは水銀柱であらわす圧の単位です。水、酸素、サイズの小さなたんぱく質(栄養素)、イオンは毛細血管の窓や壁を通過して行けます。2.毛細血管内には大きなたんぱく質も存在し、窓や壁を通過できず毛細血管内にとどまります。たんぱく質は水の分子を引き寄せる力があります(膠質浸透圧)。この圧は毛細血管の動脈側でも静脈側でも同じで25mmHgです。3.毛細血管の動脈側では血管から外に向かって水を押し出す力は35mmHgで、毛細血管内にあるたんぱく質が血管の外から毛細血管に向かって水を引き寄せようとする圧は25mmHgなので、差し引き10mmHgの力で、毛細血管から水分が体組織に押し出されます。4.毛細血管の静脈側では、血管から外に向かって水を押し出す力は15mmHgで、毛細血管内にあるたんぱく質が血管の外から毛細血管に向かって水を引き寄せようとする圧は25mmHgです。実際には体組織に残っているたんぱく質の膠質浸透圧は2mmHgで作用しています。よって差し引き23mmHgの力で毛細血管のたんぱく質が血管のそとから水分を引き寄せます。つまり8mmHgの力で体組織から体組織からも言う際血管に向かって水が吸収されます。この結果10%の水分は毛細血管に吸収されずに体組織に残ります。5.体組織に残った水はリンパ管に吸収されるので静水圧はゼロになります。体組織に残っていたたんぱく質はやはりリンパ管に吸収されてゆきます。

 

スターリング平衡の乱れによるむくみ。1.血漿静水圧上昇と低タンパク質の組み合わせ。図2は正常な状態をしめします。毛細血管から体組織へ押し出された分子構造の小さなたんぱく質は体組織の細胞と斎藤の間隙に染み出し、その後リンパ管に吸収されています。図1は毛細血管の血漿静水圧が異常に高くなり、大量の水分が体組織に向かって押し出されています。肺疾患などにより肝臓でたんぱく質合成が低下すると、結晶内のたんぱく質が減少してしまいます。これが原因の低タンパク血(血漿内のたんぱく質が少なすぎる)は膠質浸透圧が低下してしまいます。結果として毛細血管から体組織に流れ込んだ大量の水分は、毛細血管に再吸収される量が減少し、リンパ管の吸収能力をはるかに上回り、体組織内に体液が貯留した状態となり、むくみとなります。

 

スターリング平衡の乱れによるむくみ。2.毛細血管側の問題。毛細血管が損傷したケースでむくみが発生します。物質を透過させている毛細血管の窓や隙間が大きくなりすぎている、又はその部分の血漿静水圧が異常に高くなりすぎているため、毛細血管から体組織に向かって大量の水分とたんぱく質が流れ込んでしまい、リンパ管の急流力をはるかに超えた状態になります。又体組織のたんぱく質分解能を圧倒してしまい、体組織に体液が過剰に貯留しむくみとなります。損傷のげんいんは、1)直接的原因 外傷により毛細血管が切れたり裂けたりした場合、火傷。2)間接的原因 体組織から炎症成分が放出された場合。運動のし過ぎによっても毛細血管から水分とたんぱく質が体組織に向けて流れ込みます。適度な運動はリンパシステムの活動を助けますので、このケースの場合は、運動の程度は医師と相談が必要です。

 

スターリング平衡の乱れによるむくみ。3.低排出、低タンパク性むくみ。図ではリンパ液が最終的に向かっている静脈側の静水圧が異常にたかくなっています。そのためリンパ管は静脈にリンパ液を十分に排出できず、体組織に体液が貯留してむくみがはっせいしています。静脈側の静水圧が異常に上昇した原因は心臓疾患の後半において中心静脈圧が上昇した結果です。リンパ管が吸収するたんぱく質分子も減少しています。

 

構造的原因のむくみシリーズ(リンパ浮腫)

低排出、高蛋白質のむくみー1体組織の間隙を経由して毛細血管から流れ出した水分がリンパ管に向かう経路の数が少なすぎる、又は経路が狭すぎる事で、体液がリンパ管に十分に吸収されず、体液の過剰な貯留が生じてむくみとなります。体組織内の経路の問題の原因 1)外傷により体組織経路に繊維素が蓄積されブロックとなっている。2)古い血管から過剰な繊維素が流れ出してしまった。

 

低排出、高蛋白質のむくみー2毛細リンパ管の数が異常に少ないためにむくみが起きます。毛細リンパ管の一部に繊維素による阻害が発生しています。

 

低排出、高蛋白質のむくみー3先天性のむくみです。リンパシステム中央部にリンパ流の阻害が発生し一定期間リンパ鬱滞が生じたのちに発生します。集合リンパ管が拡張し弁機能不全に陥った結果、リンパ管末端にも連鎖反応が起きます。毛細リンパ管にも拡張が生じ、弁が閉じません。その結果、リンパ液が体組織に逆流します。もう1つのケースは体組織の密度が高すぎる場合です。その場合、毛細リンパ管の間隙が十分に開きません。いずれのケースでもたんぱく質と体液は体組織から移動できず、低排出、高タンパク性のむくみが発生します。

 

低排出、高蛋白質のむくみー4繋留(アンカー)フィラメントの損傷。別の原因で既にひどいむくみが発生している場合、アンカーフィラメントが損傷してしまいます。アンカーフィラメントは断裂したり体組織から離れててしまうような状態に陥ります。この結果、毛細リンパ管は体液の吸収も、導管として先の集合リンパ管に排出することもできなくなります。この結果、体組織の細胞間隙の体液鬱滞が既存のむくみを更に悪化させます。

 

低排出、高蛋白質のむくみー5毛細リンパ管内壁に異常な間隙が生じた悔過むくみがはっせいしています。怪我の後でよく見られます。軽い炎症や外傷によってリンパ管内壁に異常か間隙が生じ、リンパ管が機能していません。

 

低排出、高蛋白質のむくみー6集合リンパ管に阻害が発生し起きたむくみです。原因は1)炎症をもたらす繊維素です 2)リンパ管周辺で発達した腫瘍がリンパ管を圧迫します 3)腫瘍がリンパ管内部で増殖したケース 4)リンパ性静脈瘤 5)放射線照射の影響 6)外科手術でリンパ管の一部を切除したケース 7)寄生虫の影響

 

低排出、高蛋白質のむくみー7集合リンパ管から胸管への排出が阻害されむくみが発生します。集合リンパ管は胸管へ排出できないので、圧力を更に上げて排出しようとします。その結果、更に大量のリンパ液が集合リンパ管内にとどまり、リンパ管壁を拡大してしまいます。その結果、排出機能が低下し、更に多くのリンパ液が溜まるという悪循環に陥ります。最終的には毛細リンパ管も集合リンパ管も内壁が破裂します。

 

低排出、高蛋白質のむくみー8より中央部に近い場所で起きた閉塞のためリンパ管の弁機能が不十分になり弁機能不全は連鎖反応として、集合リンパ管、そして末端の毛細リンパ管の吸入弁にまで機能不全になります。その結果、体組織に体液が鬱滞しむくみとなります。図ではリンパ本幹に排出している集合リンパ管のリンパ節で閉塞が発生しています。

 

低排出、高蛋白質のむくみー9集合リンパ管壁に間隙が生じ機能不全に陥っています。リンパ液は静脈に向けて排出されず、体組織に貯留しむくみとなります。原因としては1)集合リンパ管の透過性が亢進してしまった。 2)他の原因 リンパ浮腫の影響、ビタミンB,Pの不足

 

低排出、高蛋白質のむくみー10体組織全体の圧力変化が不足し、毛細リンパ管のポンプ機能が失われリンパ液を排出できていません。結果的には体液は体組織に貯留しむくみとなります。

 

低排出、高蛋白質のむくみー11体組織全体の圧力が不足し、集合リンパ管がリンパ液排出を十分に行えず、体液が貯留しむくみが発生しています。

 

低排出、高蛋白質のむくみー12集合リンパ管が痙攣し、リンパ管の収縮に問題が起き、リンパ液排出が十分に行われていません。結果的に体液が体組織に貯留しむくみが発生しています。炎症箇所で見られます。

 

低排出、高蛋白質のむくみー13集合リンパ管の平滑筋が麻痺し、リンパ液排出に必要な収縮が十分でない。その結果、体液は十分にリンパ管に吸収されず、体組織に貯留しむくみとなります。この場合、リンパ管自らのポンプ効果は期待できず、集合リンパ管周辺の体組織から受ける圧力のみが収縮に影響を与えるにすぎません。

 

機能的問題によるむくみー高供給、高蛋白質性むくみ動脈側の毛細血管の透過性が異常に高くなり、大量の血漿が体組織に流れ込んでいます。透過性上昇には血管の内皮の間隙が大きくなりすぎている状態が図で示されています。更にこの状態の時に、リンパ管の途中に梗塞があると、過剰な体液貯留を輩出する役目を担い、普段は安全弁として機能すべきリンパ管が排出を行えず、体液は体組織に鬱滞しむくみとなります。

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